みなさま年末はいかがお過ごしでしょうか。
よもやまレコード店主です。
熱いうちに出しておかないねと言うことで、立て続けにパンネタ。
日曜日の蚤の市が有名なマウアーパーク(ベルリンの壁公園)や多くのカフェがある「プレンツラウアーベルク地区」に、Stargater通りと言う道がある。教会から始まるその道には特に多くのカフェや美味しい飲食店が集まっているのだが、その通りの奥に”Hacker”という名のDDR(旧東ドイツ)パン屋がある。
知る人は知っている名店らしく、さほど広くもない店内で並んで待っている間にも、立て続けにお客さんが入ってはパンを片手に去っていく。
普通のパン屋はだいたい工場で製造された冷凍パンを焼くのだが、Hackerにはベルリンでは珍しく店内にちゃんとした製パン所があり、昔ながらの製法・焼き方でパンが焼かれていて、どのパンも他では食べられないほど美味しい。
店内はそれなりに狭いし、節電意識の高いドイツの老舗らしく室内もとても暗く、そのうえ肝っ玉の据わったDDRの2人のおねいさまが店番をしており、これまたドイツらしく必要以上のサービスをしない方針なうえに、早いので、さすがにベルリンでの生活に慣れた私も、ここでは買うだけで精一杯。

”Mischbrot (=Mix bread)"
ライ麦と小麦のMIX。配合具合により
Weizenbrot / Weizenmischbrot / Roggenmischbrot / Roggenbrotと呼び方が変わる。
(Weizenは小麦、Roggenはライ麦の事)
この見事な焼き上がり、耳にもこだわりを持つ皆さまなら見て感じとっていただけると思う。
結論から言うと、これほどレベルの高いパンは生涯食べたことがないと感じる程のパンだった。
同じものを何十年も作り続けたからこそできる職人技の味わいは、まるでコンヴィチュニーとLGOのようではないだろうか。

裏はけっこう炭化していて、使い込まれたかまどを感じる。
サワー種から作られたパンがコゲ、皮はけっこう香りが強い。

いつもの「チーズ&ハム」コンビで何度か食べてみたのだが、悪くはないが、どうしても皮の香りが強くパンが勝ってしまう。
「チーズ&生ハム」にすると、全体がぐん、と持ち上がる感じで相性が良かった。
さらに相性が良かったのは写真の「クアルク、アヴォカド&サーモンフレーク」だ。
皮の香りも爽やかにまとまって非常に美味しかった。
ご自身で作られる場合は、仕上げの白ゴマとオリーブオイルを忘れずにかけていただきたい。
黒コショウと、お好みで塩を振って召し上がってください。
クアルクと言うのはドイツで良く食べられる水切りヨーグルト。
クリームチーズよりもヨーグルト寄りだが、まあ、似たようなモノです。
次はRoggenbrotに挑戦してみたいところだけど、まだ売ってるのを見たことがない気がする。