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よもやまレコード

コロナ時代を生きる:ベルリンより徒然と雑感

どうも皆さまこんにちは。
ベルリン、よもやまレコード店主です。
久しぶりに時間が作れたので、徒然を書き連ねようと思います。

 2019年末から実家へ帰省後、2020年もやるぞ!と気合を入れて日本からベルリンに戻りましたらばこの騒動。いやはや全く、生きていると色々なことが起こりますが、よもやこのような事態になるとは誰もが予測がつかなかったことでしょう。

 ベルリンはそもそも波際対策まで時間的余裕があった点、政府のはっきりとした倫理的に正しいと思われる対応が功を奏し、感染者もそれほど増えず、死者の数も多くはなく、現時点で収束したと言っても過言ではない状態になっております。(少なくとも第一波は、ですが。)街は概ね秩序立っており、特別大きな混乱はないように感じます。

 が、やはり経済的な損失は大きく、休業中の補償があるとは言え、以前と比べて実収入に繋がりにくい社会になっているのは事実でしょう。スーパーやドラッグストアは大きなカゴを持つのが必須(ソーシャルディスタンスを保つため)だったり、小さな商店は3人までに入場を制限をするなど、密にならない工夫をしてなんとかオープンしていますが、スーパーと人気店以外は以前と比べると客足は乏しいですね。人々は自宅待機で我慢していたので何かにお金を使いたい欲求があるのですが、同時に節約感覚も芽生えているので、行きたい店にだけ行くようになったように感じます。商売人は生き残りが厳しくなったように思います。

 先日共同経営させてもらっているコレクター・ヨアヒム氏に取り分の分配に行ったときに聞いた話。「4月の時点で、知り合いのレコード屋が入場制限かけて一時再オープンしたんだけど、長蛇の列が出来ちゃって。いつもの3倍くらいの量が売れたらしい。」とのこと。
 コロナ禍でこの話を聞いて私が思ったのは、「人間いつ死ぬかわからないから、やりたいことやっておいた方がいいよ」と言う義父の言葉。彼は苦労人なのですが、かつて妻と私の初めての旅行の為にお金をポンと出してくれました。旅行にいって欲しかったんですね。レコードも欲しいなら買ったらいいですね。お金はかかりますが、お金はまたなんとか稼げるし、札束に針落としてもいい音は鳴らないですからね。でも、レコードを買っていい音で聞けば心が豊かになって、思い出になりますからね。
 決して、だからうちでレコードを買ってくださいね、って言ってるわけではないんですけど、実際にその後も私は妻と色々なところに旅行に行っておりまして、2019年の夏にはちょっと無理してシチリア島に行きまして、そこがとても良くって、ベルリンにいても暑い日なんかには思い出すんですね。借りたアパートの近所が良かったとか、やっぱりレモンが違うねとか、スーパーで売ってたカジキマグロが美味しかったねとか、暖かい思い出を作ることこそ人生かな、と思うのです。
 レコードも売り始めてから数えると5年くらいになります。最初はほとんど何もわかりませんでしたが、様々な方とお知り合いになって色々と教えていただいたり、レアなレコードとも出会えったり、人とは違うけど面白い人生じゃないかと思います。
 きっと皆さんも、いつか人生の静かな時に、出会ったレコードや音響装置のことを思い出すのではないでしょうか。私もきっと「フランツ・コンヴィチュニーのベートーヴェンをエテルナ盤で聞くことも出来たし、いい人生だったな」と思うと思います。

 ・・さて、長くなりましたが読んで下さいましてありがとうございます。
最後に、ただいま次の商品リストを作成中でございます。フルトヴェングラー、MONO盤、マーラーなど?以前のように商品リストに一言コメント復活させましたので、読んでいただけると嬉しいです。4月、5月のリストでお買い上げいただきました皆さまは誠にありがとうございました。おかげさまでまた続けれられます。新しいものは6月半ばくらいに出せればと思いますので、よろしくお願いいたします。

 では、色々と大変なことが続きますが、少しでも心安らぐ時間を提供できれば幸いです。2020 6月4日 よもやまレコード店主より

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