忍者ブログ

よもやまレコード

若杉弘のワーグナー序曲/前奏曲

本日もベルリンは薄曇り(薄晴?)、まぁでも春の空気が冷たくも気持ち良い。

本日聞いているのはこちら。
_Wakasugi_WagnerOverturenundVorspiele

若杉 弘 / シュターツカペレドレスデン
ワーグナー 序曲と前奏曲集

さまよえるオランダ人序曲
タンホイザー序曲
リエンツィ序曲
ローエングリン第1幕と第3幕の前奏曲

が収められています。

針を落とせばすぐに見事な演奏だとわかります。

その場その場に集中するだけではなく、曲全体を大きな流れとして捉えるのがうまく、且つ要所をしっかりと抑えているが華美にはなりすぎていない。
陶酔させるような場面を丁寧に、うまく置いてくる。

若杉さんは本当に、音楽が好きで、好きで、賢くて、努力を惜しまなかったのだろうと推測いたします。あと、優しい。その優しさは雄大な森のような、清流の流れのような、そういう美しいやさしさですね。

SKDの音も、往年のSKDの音とはまた少し違うのですが、十二分に引き出しているように感じられます。リエンツィなんかでは音の一つ一つが生き生きとして跳ねまわるようで、生命に溢れる喜びを感じます。

84年、CBS/SONY TOKYOとの共同制作版とのことですが、技師はエテルナが誇るクラウス・シュトリューベン氏。名作の聖地ルカ教会での録音ですが、70年代のルカ/シュトリューベン録音とはちょっとだけ音の雰囲気が違う感じはします。(CBSの機材だったりするのでしょうか?あ、DMMだからかな)
とはいえ悪い方向に違うわけではないのでご安心。奥行き感があり、音も非常に鮮明で迫力あり。
演奏、録音ともに非常に素晴らしいタイミングで行われた稀代の傑作と言えます。

拍手[0回]

PR