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よもやまレコード

オトマール・スウィトナー


オトマール・スウィトナー(またはスイトナー) / Otmar Suitner
(1922年5月16日 - 2010年1月8日)

1960年にドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオーパー)の、1964年からはベルリン国立歌劇場の音楽監督に就任した頃から旧東ドイツを中心に活動、ドイツの二大国立歌劇場でオペラとコンサートの両面で活躍した。
71年に初来日してから着実に人気を集め、NHK交響楽団の名誉指揮者となり、日本では特に親しまれている大指揮者の一人ですね。
モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスを始め多くの演奏を残していますが、特にモーツァルトの演奏はその曲のベスト演奏に選ばれることも多いようです。
また、オペラも得意でその響きの美しさで数々の名演奏を生み出してきました。
旧東ドイツ国営レーベルであったエテルナには数多くの演奏を残しており、その多くが名演奏・高音質盤として知られています。


【 シュターツカペレ・ドレスデンとの演奏 】

1548年設立の世界に誇る伝統の音!
絹のような滑らか、且つ重厚な音は世界随一。当時旧東ドイツの管轄であったにもかかわらず、西側諸国の多くの有名指揮者が共演を熱望した世界最高峰のオーケストラ。
スウィトナーとの演奏はなんといってもモーツァルトの交響曲が有名。
その音、その完成度の高さからモーツァルトの入門としても非常にオススメですが、最終的にここに帰ってくる可能性は大!





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モーツァルト
交響曲 第35番 ニ長調 KV385「ハフナー」
第36番 ハ長調 KV425
モーツァルト / 交響曲 KV504 / KV551
 モーツァルト
交響曲 第38番 ニ長調
KV504「プラハ」
第41番ハ長調 KV551「ジュピター」
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モーツァルト
交響曲 第39番 変ホ長調 KV543
40番 ト短調 KV550

モーツァルトの一つの名演として、スウィトナーの代表作として、人気の高い交響曲シリーズ。
演奏は滑らかで気高く気品があるがしっかりと熱もある非常に完成度の高いもの!
録音は70年半ばにルカ教会にてクラウス・シュトリューベン氏とホルスト・クンツェ氏による録音で、音も非常に素晴らしい。


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チャイコフスキー & フォルクマン 弦楽セレナーデ / ビゼー & ウェーバー 交響曲 第1番
「弦セレ」は例の企業CMによって、ひどい目に遭いましたね。
私はこのスウィトナーの演奏を聞いたところ、そのトラウマから脱却できました。
素晴らしい音、素晴らしい演奏。ありがとう!


【 シュターツカペレ・ベルリンとの演奏 】

スイトナーと言えばシュターツカペレ・ベルリンとの演奏も代表的です。

1740年から続く伝統ある歌劇場であるSKB。
歴代音楽総監督を見てみると・・
  • 1899-1913 リヒャルト・シュトラウス
  • 1913-1920 レオ・ブレッヒ
  • 1923-1934 エーリヒ・クライバー
  • 1935-1936 クレメンス・クラウス
  • 1941-1945 ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • 1948-1951 ヨーゼフ・カイルベルト
  • 1954-1955 エーリヒ・クライバー
  • 1955-1962 フランツ・コンヴィチュニー
と錚々たる顔ぶれですね

スウィトナーは1964-1990年までと歴代最長の任期を勤め、
育て上げた手兵はまさに強者の佇まいです。

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モーツァルト 序曲集 / グリーグ 管弦楽曲集
SKBの音を存分に堪能できる。
ゲバントハウスやドレスデン・シュターツカペレと比べてなんとなく遅れを取っているという印象もなくはないベルリン・シュターツカペレだが、スウィトナーが鍛え上げたこの頃は非常にレベルの高い。
とても渋い音で、鈍い、重い、LGOやSKDとはまた違った重厚さがある。
「素晴らしきベルリン!」と言うベルリナーの誇りが感じられて良い。

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ベートーヴェン 交響曲全集
レーベルにお金がなかった時期なのか、白黒なジャケットですが・・。
音は妥協なしなので問題なしです。
80年-83年の録音だけど、その時流行の華美なベートーヴェンでは全くなく、あくまで伝統的な演奏。熱量あり。気迫のこもった感動の作です。
こちらでもあまり出回っていませんが、オススメ。

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シューベルト 交響曲
83-86年にかけて録音された、スウィトナーらしく美しく繊細なシューベルト。
力強いSKBの音と、名旋律のシューベルトは一見ミスマッチかと思うが、そこはスイトナーがやはり見事に仕立て上げている。
甘さには走らず、見栄も切らず、あくまで中庸。
その辺が絶対的な良さを印象付ける、傑作。
DMMだけど、音は下手な加工がされていないのでむしろ良いと思う。



そんなスイトナーの私的名盤紹介
東独エテルナの名盤~Nr.6 スウィトナー/SKD Volkmann/チャイコ 弦楽セレナーデ
東独エテルナの名盤~Nr.7 スウィトナー/SKD ビゼー/ウェーバーの交響曲
東独エテルナの名盤~Nr.12 オトマール・スウィトナー/シュターツカペレ・ベルリン ベートーヴェン 交響曲 第9番
東独エテルナの名盤~Nr.16 スイトナーの「フィガロの結婚」

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