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よもやまレコード

楽しいボレロの聞き比べ♪

楽しいボレロの聞き比べ♪

みんな大好き「ラヴェルのボレロ」の聞き比べをしていくコーナーです♪
誰もが知っている名曲だけど、あら不思議。聞き比べてみると指揮者によってこんなに違う!
マイナー演奏も多くなりそうで、楽しみです。

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【 フェレンツ・フリッチャイ指揮 / Ferenc Fricsay】
【 アメリカ軍占領地区放送局オーケストラ / RIAS Symphonie-Orchester Berlin 】

独ヘリオドール盤。
13分34秒とかなりの速さ!
56年にフリッチャイがRIASの首席指揮者に着任した年の演奏。
音はややモノラル感あり。
ホールの響きもあるけど、ちょっと寒そうな感じ(=ちょい硬い印象)。
聞き比べをしてみて、やっぱりフリッチャイはうまいんだなぁと感じるのは、しっかりと各パートの意味をしっかりと考えていて分離ができている。
音の住み分けと言いますか、そういうのがしっかりと出来ている点。
4分の3拍子を大きく振ってしっかりと感じられるし、お、次はピッコロ、お、次は・・と、音の違いもしっかりと楽しめます。
終盤の盛り上がりは気迫に満ちていて、ホーンセクションなんて若干食い気味です。
かなりの速さではありますが、早すぎると感じさせないのはさすが。
ものすごい気迫で描き切り、最後は踊り子と周りの観客の魂は一つになってますね。

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【 ギュンター・ヘルビヒ指揮 / Gunther Herbig】
【 旧東ドイツ・ベルリン交響楽 / Berliner Sinfonie-Orchester 】

旧東ドイツ・エテルナ盤。
15分20秒なので、ラヴェルと同じくらいの速さですね。

冒頭のスネアの繰り返しはなしで、フルートと同時にスタートはちょっとだけ残念。
土台の音作りはしっかりとしており丁寧。指揮者の人柄か、全体的に非常に丁寧で柔らかい雰囲気があります。
面白いなと思ったのはその音で、相応の練習を重ねてきたんだろうなと思わせるものであると同時に、なんというか、朝もやの中で踊っているような独特の幻想的な雰囲気があります。
ただ楽譜に飲まれている気がしないでもなくて、リズムや各セクションの分離感はないですね。ボレロの醍醐味の4分の3拍子は感じられず、メロディーの上にリズムが乗っている感じで。
全体としてボレロと言う美しい絵本を読んで聞かせてもらったような感じ。


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【 エドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮 / Eduard van Beinum 】
【 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 / Amsterdam Concertgebouw-Orchester Amsterdam 】

旧東ドイツ・エテルナ盤。
58年録音?
クレジットはないが15分25秒とのことで、スピードはほぼ標準。

序盤から安定感ありで安心して聞ける。
ホールの響きもちょうど良い!
全体的に丁寧だけど、丁寧すぎることはないし、各パートの音が良いので興が乗らないうちも安心して聞くことが出来て◎。
後半、盛り上がりを見せるにつれて全貌が見えてきますが、その音の集合体の完成度たるや非常に素晴らしい。コンセルトヘボウが人気があるのが頷ける、透明感のあるとても魅力の在る美しい音です。
弦楽も素敵な音。管楽器の音色は、まるで命の素晴らしさを奏でているかのようです。
透明感をより生かすために、リマスターのCDとかでも聞いてみるのもいいかもしれません。

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【 オンドレイ・レナルド指揮 / Ondrej Lenard 】
【 ラジオ・ブラティスラヴァ交響管弦楽団 / Radio Bratislava Symphony Orchestra 】

チェコOPUS盤を試聴。
16分48秒とかなり遅め。

スロヴァキアの指揮者オンドレイ・レナルド。
かなりスローなペースで粘り強く作り上げようとしているが、どうも全体的に雑な気がする。
全部の音を一緒に考えているような気がして、正直よくわからなかった。
終盤でのスネア強打には面食らう。
でも、後半のホーンセクションなんかは結構伸びやかでいい音が出ている気がする。
すんごく上手でないかもしれないが、すんごく上手じゃないのも嫌いではないです。

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