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よもやまレコード

東独エテルナの名盤~Nr.13 アンネローゼ・シュミット/クルト・マズア=ドレスデンフィルのグリーグ/ピアノ協奏曲 ウェーバー/ピアノと管弦楽のための小協奏曲

【 東独エテルナ 825 689 】2 (80)
グリーグ / ピアノ協奏曲 op.16
ウェーバー / ピアノと管弦楽のための小協奏曲 op.79

アンネローゼ・シュミット(ピアノ)
クルト・マズア指揮
ドレスデンフィルハーモニー管弦楽団

70年?ルカ教会にて
クラウス・シュトリューベン氏による録音

録音良好。 30代半ばで精神・体力共に充実した頃の演奏。
 彼女の音は硬質だがクリスタルをイメージさせる堅苦しくないもので良い。
全体を通して迷いなく貫き通す芯の強さで聞くものを惹き込んで行く。

先日、クラシックではないですが日本人のアーティストのヨーロッパツアーに行き、最初はそのテクニックと音のクオリティに驚いたのですが、曲想や演奏法に自尊心や虚飾心が見え隠れし、途中から醒めてしまった。
東京は見渡せばあらゆる物が輝いているのだろう。
彼らの音楽はそんな音楽に聞こえた。

ドイツ人はもっと本質を大切にする。
こと音楽に関しては特に、虚像、虚飾、媚、見得などを嫌う。
さて、彼女の演奏を聞いていると、やはり媚・虚実などは出来る限り排し、音楽の本質を追及してきたのであろうと感じさせる。純度が高い。
こちらグリーグが残した唯一の抒情的なピアノ協奏曲でも虚実なき「真」に迫っており、さらに持ち前の芯の強さでぐいぐいと惹き込んでくれるので聞いた後の納得感・満足感もとても高い。
ドイツの女性は本当に逞しい。
マズアは理解のある良き夫のようで徹底的にサポートに回っているように感じられるが、しかしながら持ち前のバランス感覚による下支えで見事な音楽に仕立て上げている。

因みにシュミット&マズア/ドレスデンPと言えばモーツァルトのピアノ協奏曲も同じ時期に録られた素晴らしい録音。こちらを紹介するのはあまりにまっとうすぎるかなと思いグリーグ/ウェーバーの方を採用。
音の綺麗さで言えばモーツァルトのPC全集のほうが上かもしれません。

Schumidt_Masur_Dresdenphil_Mozart_KlavierKonzert1 Schumidt_Masur_Dresdenphil_Mozart_KlavierKonzert2
同じ演者のモーツァルトピアノ協奏曲「5&6番」と「18&19番」

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